【リコリス・リコイル11話感想】たきなの変化と千束の拒絶
いよいよ物語も佳境に入ってきました、リコリス・リコイル第11話。DAと千束が戦闘に入り、真島も本格的に動き始めます。そんなリコリコ11話を振り返っていきましょう。
狂犬たきなの変化
以前からその狂犬っぷりを言われていたたきなですが、千束に手懐けられて大人しくなったのかと思いきや、千束を失うや否や再びその狂犬っぷりを存分に発揮しました。会議中に求められてもいないのに発言するわ、作戦直前に持ち場を離れるわ、作戦中に千束を助けると旧電波塔に行こうとするわ……。
元々が思ったことを素直に言動にするタイプの子なんでしょうね。DAに戻りたかったら楠木司令に直言することもいとわない。千束を助けたかったらそれ以外を度外視。良く言えば勇猛果敢、悪く言えば視野が狭い。でもそんな「これと決めたら一直線」なたきなに我々は惹かれてきたんじゃないでしょうか。
たきなの過去と現在で変わっている部分もあります。以前は自分の思うがままに動いていましたが、今は他者（千束）のために行動しようとしているということです。これは千束たちとの交流の中で生まれた、暖かい絆があるからこそ為せるのでしょう。最初からエリカを助けようと行動している辺り、その萌芽は既にあったと言えそうです。
延空木にてDAでの作戦か、千束を助けに行くか決断を迫られる一幕があります。以前のたきななら勿論DAでの作戦を優先したでしょう。ですが、今は千束との絆がたきなにとって何事にも代えがたいものになってしまいました。その結果、以前のたきなでは考えられなかった「❝DAを捨てて❞千束を助けに行く」という選択をたきなは採ります。
これをたきなの成長と捉えるかはその人次第ですが、たきなが変化したということは間違いないですね。あんなに拘っていたDAへの所属を捨ててまで千束を助けに行く選択をするたきなの変身っぷりに、胸が熱くならざるを得ません。たきなにとって、千束はどんな居場所よりも大切な心の拠り所になっているということが分かります。
あまりにもカッコイイアイキャッチ
作品名にも入っている「リコリス」とは彼岸花の学名ですが、これは有毒植物で花、葉、根、茎全てに毒を持っており、そこから「食べると彼岸（死後の世界）に行く」という言い伝えができたほどだそうです。
その彼岸花をタバコに見立てた二枚のアイキャッチ画像。めちゃくちゃエモくないですか？ アイキャッチを担当している浮き足さんは感性の塊だと思いました。
タバコは人体にとって毒です。彼岸花もその点は同じなので、それをタバコに見立てる。これは二人は毒を摂取している、つまり死後の世界に近づいてきているという解釈が可能ではないでしょうか？
二人とも死亡する、もしくは死に別れするENDなんて見たくもないです。足立監督も続編に前向きな発言をしているので、このアイキャッチはあくまでも芸術作品で今後の展開を示唆するものではないと思いたいです。
なお彼岸花の毒性は強いため、コスプレなどをする際には間違っても本物の彼岸花を咥えたりしないようご注意ください。浮き足さんも注意喚起をしています。
⚠️彼岸花は毒があるので絶対に真似などされないようにお願いします。あくまで作品の表現として描いています。⚠️
— 浮き足 (@ukiashi_jp) 2022年9月10日
追記（2022-10-02）
ということで、アイキャッチの危険性を鑑みて、各種配信サイトで差し替えが行われました。恐らく円盤に収録されるのも差し替え後のものだと思います。残念ですが、安全第一なので仕方ないですね。新しいアイキャッチも素晴らしいものとなっているので、是非見てみてください。
「一緒にすんな！」に千束が込めた想い
戦闘中に真島の「つまんねぇ縛りで才能枯らしてんだってなぁ。けど俺はお前のそういうとこ好きだぜ。人に生き方強要されんのは俺も嫌いだ」という言葉に対して、千束が「一緒にすんな！」と言い放つシーンが心底嫌そうな感じだったので心に引っかかりました。他の敵には「階段は下手すると死ぬからねぇ」などと敵ながら優しい一面を見せていたのに。さらに真島とは案外馬が合うのに。
真島も「俺とお前は同じだ」と何度か発言しています。では何が同じなのか？と言うと、「アラン機関に支援された銃使い」くらいしか思い付かない。それとも真島しか知らない何か他の共通項があるんでしょうか？
千束の心からの「一緒にすんな！」を聞いたとき、「同族嫌悪」という言葉が頭をよぎりました。ですが、「同族」と言えるほど近しい性質同士でもなさそうです。
ちなみに第8話でテーブルを囲んだときも「オイ一緒にすんな」と千束は発言しています。
個人的には千束と真島は「特異な才能を持ち、アラン機関に支援されながらも真逆の道を歩んだ者たち」として対比的に描かれていると思っています。その「特異な才能を持ってアラン機関に支援された」という点を指して真島は「同じだ」と言っているのではないかと。
一方で千束にとっては真逆の道、つまり殺すか殺さないかが重大な一線なんですよね。だからたとえ「アラン機関に支援されるほどの才能を持つ」ことで同じ次元に立ったとしても、「お前とは違うんだ」ということを声を大にして言いたかったんじゃないでしょうか。モブのザコ敵はアラン機関に支援されているわけではない（はずな）ので、そんなことを言う以前に天地ほどの才能差がありますからね。だから❝保護❞の対象になり得るわけです。つまり「争いは同じレベルの者同士でしか発生しない！」ということです。だからこそ千束はイラつき、「一緒にすんな！」と叫んだわけですね。
余談
さて、そんなわけで語ってきましたが、今回はものすげえアイキャッチとか、千束V.S.真島とかたきな乱入とかテンションが上がる話数でしたね。来週以降はどうなるんでしょうか。
個人的にはミカがどう活躍するのかが気になります。あんなにかっこよく千束と立ち姿で締めておいて、本当にお店に帰ってお茶を飲んでいたら私は泣きます。ミカには報われてほしいんや……。
泣いても笑ってもあと2話です、楽しんでいきましょう！
