高村雑記

高村が書きたいことを、書きたいときに書きたいだけ書くブログ……のはずが、最近はアニメに偏りがち

【リコリコ13話(最終回)感想】リコリコは千束の存在を証明する傑作アニメ

遂に最終話が放送されました、リコリス・リコイル。早速ですが、そのOPとEDを通して最終話を振り返っていこうと思います。

EDの歌詞の意味

これは君(千束)が僕(たきな)に知らない世界(情緒)を教えてくれた、というたきな目線の歌で間違いないでしょう。

実際にたきなは千束と出会ったことで、多くの知らないものを見つけることができました。命令に従うロボットでなくていいこと、人と関わり合いを持つことの幸せ、遊ぶことの楽しさ、千束という愛すべき人との出会い、その人を失いたくないという愛着と喪失のせめぎ合い、吉松への殺意などなど……。それは挙げればキリがないほどです。

それほど多くのことを千束はたきなに教えてくれた。たきなにとって千束はかけがえのない存在です。

一方で、千束にとってのたきなはどうでしょうか。相棒、妹、友達、そんな感じの言葉で表されるでしょう。12話で千束が実弾で吉松を撃ったのは、千束の中でたきなという存在が吉松以上に大きくなっていたからに違いありません。そうでないと命の恩人に手をかける説明がつきませんから。

このように、EDの歌詞を精査するまでもなく二人は唯一無二の関係を築いていました。ではOPの歌詞はどうでしょうか。

OPの歌詞の意味

一方で、OPの歌詞の意味は千束視点のようなそうでもないような、解釈が難しいものでした。それでも物語が進むに連れて、意味が解き明かされていきます。

例えば「命を燃やして今を生きていくだけだから」はリコリスの一般論かと思っていましたが、千束の人工心臓の件が問題になってからは千束のことを歌っているようにしか聞こえなくなりました。

命を燃やして今を生きていくだけだから(かわいい)

他にも「存在の証明を 声を震わせ続けて 振りかざしてきたから」も3rdリコリスが群をなして歩くイメージから、一般のリコリスにも爪痕を残そうとする意志がある的な意味だと捉えていました。冒頭の「願った 勇敢な選択の 未来を今照らしてく」に至っては全く意味が分からず、でした。

名も無き3rdリコリスたち

ですが物語が12話、そして最終話と進むに連れて歌詞の意味が理解できるようになっていきます。「願った 勇敢な選択の 未来を今照らしてく」とは、千束が吉松を犠牲にしないで死ぬ道を選んだこと。

13話にて千束が自身の志として語った「私を必要としてくれる人にできることをしてあげたい。そしたらその人の記憶の中に私が残るかもしれないでしょ。いなくなった後も」が「存在の証明を 声を震わせ続けて 振りかざしてきたから」とリンクしている。

このように、物語の終盤で次々と意味が明らかになっていく歌詞は本当によくできているなあと思いました。ラストバトルの挿入歌として「ALIVE」が流れたのも納得です。

千束にとっての存在の証明

「私を必要としてくれる人にできることをしてあげたい。そしたらその人の記憶の中に私が残るかもしれないでしょ。いなくなった後も」。既に千束はそのミッションを完遂していると思います。喫茶リコリコでのお客さんとの触れ合い。リコリスとしてのリコリコでのお仕事。いつだって仲間たちの中心にいた、あまりに眩しい存在。

そして千束は、画面さえ飛び出して私たちの心の中にも確かに息づいていると思います。リコリコの放送が終わって寂しいとか、12話で感動したとか、早く2期が決まってほしいとか。そんなことを考えるのは、千束が私たちの心に現実味を持って存在している証左に他なりません。だから千束の願いは、次元を飛び越えても実現されているんですよね。

もし仮に千束が死亡するようなエンドだったとしても、千束の願いが叶っていたのはまず間違いないでしょう。千束が死んでも(続編が制作されなくても)、千束という太陽は私たちの心の中で永遠に生き続けるのです。これこそが千束が願った志であり、ClariSの意図なのではないでしょうか。

おわりに

さて、そんなわけでリコリス・リコイルを最終話までレビューしてきました(正しくは8話からですが……)。オリジナルアニメということで、特に終盤は毎週毎週どんな展開がくるのかドキドキしっぱなしでしたが、それも一旦ここまでということですね。

これからもBlu-Rayの発売やら公式スピンオフやらコミカライズ企画やらスペシャルイベントやらいろいろありますので、2期がくることを祈りつつ応援していきましょう。

次回何をいつ更新するか全くもって未定なので、しらばく間が空くと思います。よろしくお願いします。