高村雑記

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【リコリス・リコイル9話】かわいい錦木千束の好きな台詞をピックアップレビュー

一回目を観た所感

前回第8話のピックアップレビューはこちらをご覧ください。

当たり前ですが、この記事は最新9話までのネタバレがありますのでご注意ください

いやー、前回の終わり方にそこまで嫌な未来は見えていなかったんですが、皆さんの悪い予感が的中しましたね……まさか千束の余命がたった二ヶ月とは……。

千束には勿論死んでほしくないです。ただ一方で、ここまでやっておいてご都合展開で死ななかったらそれはそれで興醒めだったりするんですよね。死んでほしくないけど死んでほしい。

個人的には最終回で綺麗に死んで、メリーバッドエンドという形で終わらせるのが好きかな。ああ、でも悲劇に足を取られやすいタチなので、そうなったら仕事に影響が出るレベルで落ち込むでしょうね……。皆さんが納得できる形での千束生存ハッピーエンドがやっぱり一番でしょうか。

そんなこんなで台詞・声レビューをする気力もなかなか起きないのですが、一回で終わる連載があるか!ということで気張っていきます。

第9話のあらすじ

千束の人工心臓が狙われた。バッテリーの充電ができなくなったことで、千束は余命を宣告される。替えのない人工心臓の手がかりを追うクルミは、ミカに当時のことを尋ねる。一方、DAは大規模な真島の討伐作戦を控え、千束を本部へと呼び出すのだった。

Story | オリジナルTVアニメーション「リコリス・リコイル」公式サイト

評価の基準

【★☆☆】
「おっ、これは良い」と惹きつけられる。
【★★☆】
「やばっ。これは素晴らしい!」と心を掴まれる。
【★★★】
「あー、昇天しそう! 何回でも聴きたい!」と魂を揺さぶられる。

なお、台詞冒頭の時間表記はABEMAのそれに準じる。 

台詞レビュー

03:11「おお、お揃いだな……」【★☆☆】

「オォォッ……オッソロイダナ」となんともたどたどしく力のない一言。眠剤が効いているから当然と言えば当然なのだが、我々の不安を増大させてくる。こんなに弱々しい千束も珍しい。

04:35「いいのよ」【★★☆】

千束の悟りの境地とたきなの切迫感の対比に胸が締め付けられる。元々二十歳までの命だったとはいえ、ここまで平静を保っていられる千束は強い。普段から後三年かーなどと考えながら生きてきたのだろうか。たかが三年、されど三年だ。たきなのように取り乱してもおかしくはない。

05:05「オーダー入りましたー!」【★☆☆】

千束の力強い一言だが、状況が状況だけにむしろ寂寥感がある。千束は強いと褒めるべきか。辛い。

05:38「なってなーい。何か渡す物があるから来いって楠木さんがしつこいのよ~」【★☆☆】

心底楠木さんを尊敬していない感が伝わってきて笑える。「しッつこいのよ~」の感じとか、真面目に迷惑がっていそう。思春期の娘とお父さんかな?

05:55「んなわけないでしょー」【★★☆】

何気ない否定だが、リズム感が素晴らしい。「んっなわっけないでしょー」みたいな感じで、声に出して読みたい千束語。

06:24「うぅっ、もう死ぬんでちょっと体調がぁー……」【★☆☆】

自分の死をネタにすることも厭わない。心臓だけじゃなくて脳も人工なんじゃないか。ここまでくると最早常軌を逸したメンタル。普通の精神なら二十歳で死ぬと心の準備してたのに、急に二ヶ月後になったら動揺する。前向きが過ぎるが、「どうせ十そこらで死んでた命、今はボーナスタイムみたいなもんっしょ」くらいに捉えているのかな。

06:37「ここに来るのは最後だと思いますし、もっと楽しい話しましょうよ~。で、何くれるんですか?」【★☆☆】

「もっと楽しい話しましょうよ~」と提案した直後に「で、何くれるんですか?」は流石に笑う。あるいはくれる何かが楽しい話に繋がると思ったか。本当に千束は楠木のことを何とも思っていないんだなあ。DAに戻りたくない理由の一つとして、楠木の命令に従わなければならなくなるっていうのも結構大きい要因だったりして。

6:54「ずっと探してたのにー。ドロボー!」【★★☆】

DAの司令を泥棒呼ばわりは笑う。でもその「ドロボー!」も罵る感じじゃなくて軽く冗談を言う感じで言っているのが、千束が千束たる所以かな。ずっと探していたのは本当だし大切な物だったわけだけど、それでも相手を許してあげる。優しい。

7:31「ああ、これありがとー」【★☆☆】

相手が楠木さんであってもちゃんとお礼は言うのが千束。最早敬語すら使っていないし、本当に去り際に思い出した感が凄かったりするが。

8:35「うん、おわったらったったー」【★★☆】

これまたリズム感が耳に心地良い千束語。これって安済知佳さんのアドリブだったりするのだろうか。もしそうなんだとしたら、千束を憑依させる力が凄まじい。

10:22「おお~。ほんとにヨシさんだ」【★☆☆】

まるで亡くなった親と再会したかのような、喜びと慈しみに満ち溢れた声。ずっと探してて、答え合わせができた安心感。本当に甲斐甲斐しいよ。ヨシさんが黒幕なことを思って聴くと、涙が出そうになる。

13:23「おお~」【★★☆】

電動車椅子に乗って喜ぶロリ千束。実際の発音は「おお~ハァヘヒャハハッフハハハッ」。今の千束だって十分に無邪気だが、この頃はまだまだ子供でもっと無垢で無邪気だった。そんな子が殺しの天才だなんて、あまりに皮肉が過ぎる。透き通るようなロリ千束の声を当てられる安済知佳さんは素晴らしい。

15:46「なら、人を助ける銃だね」【★★☆】

「救世主さん」に助けられ、自分も救世主になると誓い、人を助けることを決意した。だから人は殺さない。千束の不殺の精神は、皮肉にも殺しの道具を世に送り出そうとした吉松によって作られた。クルミが言う「皮肉」って多分そういう意味。

17:35「い~らっしゃいまっせー、いーらっしゃいませー、いーらっしゃいませ、へいらっしゃい、へいへいへいへい(ミズキの発言)あ、ごめん」【★☆☆】

視聴者にとっての絶望回に、底抜けに明るい千束を添えて。ここまで明るいと、何かの拍子に堰を切ったように瓦解してしまうんじゃないかと心配になる。まあ千束の場合、明るいというより強い、悟っていると言った方が近いと思うのでそれはないか。

17:46 「はぁ~、暇だな~。はぁ! いらっしゃいま……おうおうお帰り」【★★☆】

この「はぁ⤵ぁ~⤴、ヒマダナー。ハァッ↑↑↑、いらっしゃいまs……オウオウオウお帰りィ」みたいな、安済知佳さんの伸び伸びとした演技。本当に千束は上から下まで振れ幅が広い。

18:37「うわっはぁ! やっぱたきないい素材だわ~!」【★☆☆】

この「クゥワッハァッ↑↑↑ やっぱたきないい素材だわ~⤴⤴」みたいなテンションの上がり方は間違いなく大阪のおb……お姉さんだわ。

18:56 「なんでこんな急ぎ足で回るの~?」【★☆☆】

直前のパンケーキの残量を見るに、相当口に詰め込んだな千束……。リスみたいで可愛い。この演技は実際に何か食べ物を口に入れて収録したりしているんだろうか。それくらいリアル。でも実際に何も口に入れずに台詞を真似してみたら、案外それっぽくなったので多分何も入れていないと思う。

18:30「よし、千束さんがたきなの冬ヴァージョンを選んじゃるよー!」【★☆☆】

19:10「よしたきな、付いて来んさい」【★☆☆】

この語尾を方言風にして言葉を柔らかくするの、千束の得意分野だよなー。千束のキャラとぴったりな和ませ方で、聴いててほっこりする。

19:26「ふふっ、楽しいよ。たきなといればさ」【★★★】

キミといればどこだって何があったって楽しい。それってもう告白やん? そもそもこの「休暇プログラム」自体が千束の死の可能性を内包したある種後ろ向きなもので、おまけに思い出の水族館は臨時休業。それをこんな丸ごと抱擁するようなフォローをされたら惚れてまうやん?

「たきなといればさっ!」って感じで語尾に強調があると気分の高揚感が伝わってきて、ああ、心から千束は楽しんでいるんだなって思わさせてくれる。逆に千束に励まされてしまう至高の台詞。

20:58「自分でどうにもならないことで悩んでもしょうがない。受け入れて、全力! 大体それで良いことが起こるんだ。それに、たきなの計画は大成功してるよ~。今日はめっちゃ楽しかったぜ。やるな?」【★★☆】

それぞれの人生に力をくれる言葉。逆に言えば、自分でどうにかできることは自分で何とかするしかないってこと。たきなができることは、DAにもう一度入って人工心臓の手掛かりを探すこと。

「大体それで良いことが起こるんだ」っていうのは、この物語のハッピーエンドを示唆したメタ発言と受け取ってよろしくて? こんなに前向きに生きている千束が最後に結局死んでしまうなんて悲しすぎるよ……。

人が自分のためにしてくれたことにちゃんと褒めてお礼をするって意外と難しい。心中では感謝しているのについ言い忘れたり、言うのが恥ずかしくて言えなかったり。だからたきなの一大計画をちゃんと褒めてあげられる千束は、たきなの最高のお姉さん。

総評

初めて観たときは「もう駄目だ……千束……」と絶望に明け暮れてましたけど、見返してみると千束の生きる可能性に言及してたり、本人が全然諦めてなかったり、Cパートでヨシさんが人工心臓入りらしきアタッシュケースを持っていたりと、諦めてしまうのはまだ早いかなと。

「自分でどうにもならないことで悩んでもしょうがない」という千束の言葉を胸に、あと4話、しかと見届けようと思います。

千束を見ていると元気を貰える! 今週もありがとう!